夢、芸能界（2）

２０歳位だったと思いますが、普段は殆ど新聞を読まない私がたまたま家にあった毎日新聞を見ると、オール東宝のニュ－フェ－ス募集という新人俳優発掘の為の記事が載っていました。芸能界に興味を持ち出していたので面白半分に、写真と履歴書を送ったが返事がこない、「やっぱりダメだったんだ！」とその時は諦めた。後に親父さんから聞いた話だと「会社へ勤めても真面目に仕事をしてないようだし、今度は俳優になる」何を考えているんだ、家の馬鹿は」と反対だったので1次試験の合格通知を見せずに隠していたらしい。　　　

　一遍は諦めたが次の年、大映京都のフレッシュフェ－ス募集の記事を見つけてしまった。今度は意地でも合格してやるぜ！」と神戸元町の写真館で撮ってもらい、特技は高校でやっていたボクシングの肩書き（ウエルタ－級兵庫県チャンピオン・関西1位）で履歴書を送りました。その肩書きが効をそうしたのか、1次の書類選考は合格、親父さんも仕方なしに隠すのを諦めたらしい。2次試験は京都太秦にある大映京都の撮影所、場所が判らないので、近所の人にどの電車で行けばいいのか教えてもらい、2次のセリフ・面接試験に合格、何日か後、最終のカメラテストで撮影所へ行くと5人しか残っていません。「よし合格や！」と思い込み、誇らしげに会社へ行ってみんなに「俺は今度映画俳優になるからな」と自慢をしていたんですが、結果は不合格の通知が来て大恥をかき、やっぱり才能がなかったんだと今度は本気で諦めました。