kunji5522’s diary

原田君事の俳優になったきっかけから俳優業18年の思い出

夢、芸能界(6)

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 安藤昇さんといえば渋谷の安藤組組長。もちろんホンモノです。安藤組解散後の1965年に自叙伝を映画化した松竹映画『血と掟』に本人として出演されて映画俳優に転向、私も映画館で観ました。その安藤さんを脅かす穂積隆信さんの用心棒役が駆け出の私なんですから力不足もいいところです。安藤さんの頬の傷跡や、二十代半ばで、500人を率いた実績から滲み出る凄みの或るオ-ラに圧倒されたことや、撮影前に本当なら私の方から挨拶に行かなければいけない処を主演の安藤さんの方から、あの三白眼に物静かな態度で来られたので、若気の至りで粋がっていた私はビビッてしまい、己がいかにちっちゃい人間かを思い知らされました。後年、私が唯一レギュラ-出演をした丹波プロダクション制作のテレビ時代劇『大盗賊』の第六話にゲスト出演された安藤さんに再会し、私の役者人生のスタ-トとなった『望郷と掟』の話しをしました。又、安藤さんと二人でセリフを交わすシ-ンがあるのですが、監督さんは、私の背中ナメの安藤さんの顔をアップというカメラポジションの芝居を付けましたが、これじゃ私の顔が映りません、安藤さんにそれを云うと、「判った、僕が君の肩を叩くからくるりと回って横に並べば顔が映るだろう」と芝居を変えてくれました。又、「君の人生を狂わせた責任が僕にも少しはあるんだネ」と言われたのを今でもよく覚えています。本当にいい人でした。ヤクザ映画好きの私としては、この作品はちょっと中途半端で残念な出来なんですが思い出の詰まった地元神戸の街並みや港湾労働者などの描写が懐かしいです。映画『望郷と掟』に出たのがきっかけで大手さんに俳優にならないか誘われて、O社を退社しました。社長さんに、挨拶に行きますと「君は俳優の方が向いているよ」と言われましたが、会社としてはどうしようもない社員が辞めてくれたのでホットしたのかも知れません!。                                                      (上の写真は、映画、テレビのシ-ンとは一切関係ありません。念の為に)