兵庫育英高校（2）

ボクシング部へ入部して最初の1ヶ月はシャド－ボクシングの稽古とロードワ－クとお寺の石段を駆け上がる、是には参った、１年と1学期間は算盤ばかりはじいていたのでボクシングの練習にはついていけません、一人残されて走る稽古ばかりです。自分自身が情けなくて木の陰に隠れて涙を流したこともありました。それから左ストレ－トの稽古を2週間、次は左、右のワンツ－ストレ－トの稽古を2週間です。やっと待望のスパ－リングです、相手は上級生、フェザ－級で国体に出場した人でしたが私はウエルタ－級です。こんな奴に負けるかぇ！ちっちゃい時から喧嘩は負けた事が無かったんで「さぁ来い！」周りで見ていた連中が、「喧嘩じゃねぇぞ」その声に、はっとした瞬間、ぼこぼこにどつかれ、「このがきゃ」と殴っていくと一発も当たりません、反対に3分間殴られっぱなし、終わったら前歯が欠けていました。2回目のスパ－リングは、やはり上級生で、この人は私より1階級上のクラスです、これもやっぱり殴られっぱなしで、カガミを見ると鼻が大きく腫れあがり、目じりが切れておばけの様な顔、こんなことをしていたら、折角の美貌が壊れてしまうと悟り、私としては比較的真面目に練習に取り組みましたが、1ヶ月ちょっとの練習で神戸市の大会に出場しました、この時はまだ試合に出るのが早いと言われましたが「一発当ててひっくり返せば儲けだから」と出場し、ゴングと共に飛び出しダッシュして相手をぼこぼこに殴りましたが、倒れません、こちらが疲れてしまい、一発も殴られずに、コ－ナ－からタオルを投げてもらいテクニカルノックアウトで負けましたが楽しい思い出です。結果、ボクシングは10ヶ月でウエルタ－級兵庫県チャンピオン、関西1位になり。これで満足！合宿練習をサボったら顧問の先生に叱られクラブを除名されて退部しました。おかげで卒業写真のボクシング部の処には姿がありません、今、思うに少し淋しい気持ちがしますがまあ、原田君事という男はこんなもんでしょう。