kunji5522’s diary

原田君事の俳優になったきっかけから俳優業18年の思い出

時代劇スペシャル『牢獄の花嫁』~連続殺人の謎に挑む父の愛~

 

 

 

監督/渡邊祐介。出演/丹波哲郎丹波義隆坂口良子、垂水吾郎、野際陽子宮内洋、原田君事。原作/吉川英治。1981年。丹波企画・松竹・フジテレビ。丹波哲郎さん演じる引退した与力の塙江漢が殺人事件の下手人として捕らえられた息子の無実を晴らすために50日の期限を貰って真犯人を追うという展開の時代劇です。捕らえられた塙江漢の息子を演じるのは丹波さんの息子、俳優の丹波義隆さんで親子共演となりました。「お前は神戸出身のせいかせりふの喋るテンポが遅いから老人役を試してみろ」と丹波さんに言われて39歳だった私が初めて老け役に挑戦しました。私は当時、この『牢獄の花嫁』が丹波企画の制作なんで丹波さんに配役決めの権利があったんだろうと思っていたんですが、丹波さんが亡くなってから「丹波哲郎を偲ぶ会」でお会いしたこの作品のプロデュ-サ-だった高橋信仁さんに話を聞いて初めて知った事がありました「両替屋の佐渡平という年寄りの役は、うちの原田を使ってくれないか」と丹波さんが渡邊祐介監督に頼んだところ「老け役を得意としている役者さんは他にも沢山いるのに、何もまだ若い原田さんを無理に使わなくてもいいのではないか」と渡邊監督は反対されたそうです。意見の通らなかった丹波さんは「そうか、それじゃこの仕事は降ろさしてもらう」と言って原田君事を両替屋の佐渡平役にすることにこだわったそうで、そんなやりとりがあったことを教えてくださった高橋プロデュ-サ-から「原田さん、貴方は丹波さんに凄く可愛がられていたのですね」と言われて感激しました。時代劇専門チャンネルで放送されていたんで、久しぶりに観ましたが、18年間役者をやってきて一番いい芝居をやっていると思います。自画自賛ですが他の出演作での私の芝居は酷過ぎるんで、ハラハラしないで観ることができる位の意味だと思ってください。